図書館
女の友情と云えば、たよりないものであったのも、つまりは婦人が社会人として無力であったからであった。経済的能力もないし、はっきりした職業の上の立場もないし、友達にたよられれば共にゆらつく生存の足場しかもたなかった。女子の専門学校や大学の学校仲間というものも、これまでのように、親の資力の大さでそこの生活が保障されて来た娘たちの集り場所であっては、結局、生活の問題までをわかち合う仲間としての友情は生じにくかった。
宮本百合子「図書館」の一節です。
「社会人として無力であったから」女性の友情はたよりないとする考え。
当時は説得力があったのかもしれませんが、女性が働くのが当たり前になった現在でもなお、女性の友情は頼りないままですね。
女性特有の性格的なところがあるのかな、とも思いますがどうなんでしょう?