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「猫」豊島与志雄

豊島与志雄の随筆「猫」の冒頭部分です。

なぞり書き用の文字には、線の太さに強弱のある明朝体ベースのフォントを使用しています。

 猫は唯物主義だと云われている。
 その説によれば、猫は飼主に属するよりも、より多く飼家に属するそうである。飼主の人間どもが転居する時、猫はそれに従って新居に落付くことなく、旧家に戻りたがる。それが空家になっていようと、或は新らしい人間どもが住んでいようと、そんなことには頓着なく、旧家に住み続けたがる。だから、三日飼われてその恩を三年忘れない犬と反対に、猫は三年飼われてその恩を三日にして忘れる。

※用紙によってはインクが滲んでしまい上手く書けないことがあります。 今のところコクヨ A4コピー用紙が滲みが少なく一番書きやすいように思います。他にもオススメコピー用紙あったら教えて下さい😊

※個人で楽しむ範囲でご利用下さい。

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