甘話休題
森永のキャラメルは、今のように紙製の箱に入ってはいず、ブリキ製の薄い缶に入っていたと覚えている。そして、キャラメルそのものも、今の如く、ミルク・キャラメルの飴色一色ではなく、チョコレート色や、オレンジ色のなど、いろいろ詰め合せになっていた。
味も、ぐっとよくて、これは、森永さんとしては、はじめは、高級な菓子として売り出したものではないかと思う。
ブリキの缶には、もうその頃から、羽の生えた天使のマークが附いていた。
古川緑波の「甘話休題」の一節です。
キャラメル、サイダー、ラムネ、カルピス……。
このあたりの言葉は、私にとって永遠に「浪漫」です。
金魚すくいとか風鈴とか、蚊取り線香、扇風機なども夏休みの記憶と密接にからみついていて、あの頃に戻りたいとまでは思いませんが、どうしようもないほどの懐かしさを覚えます。
そんな懐かしき「森永のキャラメル」の文章をエルバンのインク「ビルマの琥珀」書いてみました。
ビルマの琥珀って言うくらいなんですから、琥珀色なんでしょうけれど、もはや「キャラメル色」にしか見えません。
ここまでのなぞり書きの中で、文章といい、インクの色といい、私の中では一番のお気に入りとなっています😊