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「十年」中島敦

十年

十年前、十六歳の少年の僕は学校の裏山に寝ころがって空を流れる雲を見上げながら、「さて将来何になったものだろう。」などと考えたものです。大文豪、結構。大金持、それもいい。総理大臣、一寸わるくないな。全くこの中のどれにでも直ぐになれそうな気でいたんだから大したものです。

「山月記」で有名な小説家 中島敦さんの随筆「十年」の一節です。

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十六歳と言えば、私にとっては十年前どころかウン十年前の話。

それでもこの中島さんの文章を読んでいたら、自分の気持ちひとつで何者にでもなれそうな気のしていた、世間知らずだったがゆえに希望に満ちあふれていた、そんな若い頃の思いがふわっと蘇って来たような気がしました。

部屋に寝転がって考えたのではなくて「裏山に寝ころがって空を流れる雲を見上げながら」考えたからこそ、読み手にもその光景がクリアに伝わってきます。

懐かしいなぁ、十六歳。

でも戻るなら、もうちょっと大人がいいな。

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