真珠の首飾り
その真珠は大粒で、ふっくらと円みがあって、ひどく冴え冴えした色気のものだった。のみならず首飾りの作りは、いかにも昔風の好みで、いわゆるルフィール型とか瓔珞型とか呼ばれるあれだった。――つまり背後のところは、小粒ながら一ばんまん円なカーフィム真珠でもって始まって、だんだん大粒になるブルミート真珠がそれにつづき、やがて下へ垂れるあたりになると大豆ほどの粒がつらなって、最後のまん中の部分には三粒のびっくりするほど大きな黒真珠が、群を抜いて美しい光耀をはなっている、という仕組みなのだった。