PR

「世に出るまで」坂口安吾

世に出るまで

かえりみれば、私の一生は実にもう貧乏また貧乏の連続で、その貧乏たるや、抱腹絶倒ものであったのである。三日も否応なく絶食して水をのんで暮すようなことは時々あったが、手前が好んでもとめることだから仕方がない。深刻な顔をして悲しむような筋合の貧乏ではなく、手前勝手にのんだくれての貧乏であるから、仕方がない。

画像の中の日本酒に心奪われた方必見!現代のレトロな日本酒をチェックしてみよう

なぞり書きシートの改変・再配布はご遠慮下さい。
個人で楽しむ範囲でご利用ください。

  • ガラスペンで書きやすいように大きめのフォントを使用しています。
  • 用紙は万年筆インクの滲み・裏うつりの少ない コクヨ コピー用紙 がオススメです。
この文章のポイント

貧乏を「抱腹絶倒」と言えるそのセンスが好きです。

でも、ちょっと思うのです。
それは後になったから言えることであって、その貧乏の最中にあった時でも「抱腹絶倒」と笑い飛ばせるだけの気概があったのかどうか、と。

成功した「今」から振り返る過去は、様々なきらめきに彩られがちです。

🖋️色彩雫 松露

タイトルとURLをコピーしました